化粧品
化粧品広告の数値・体験談、2027年度中にも解禁へ。厚労省が通知を見直す方向
自民党有志の「Jビューティ産業研究会」が7月13日に第8回会合を開催し、政府の対応状況が明らかになった。薬機法に基づく化粧品の広告規制について、厚生労働省が2027年度中に「医薬品等適正広告基準」の局長通知を改定し、これまで禁止されていた数値データや使用体験談の表現を解禁する方向で検討している。法改正を経ずに通知改定で対応する。現行では化粧品の広告表現は56項目に制限されており、韓国のKビューティなど海外勢に比べ訴求力が弱いとの指摘があった。研究会は、禁止事項以外は原則自由とする「ブラックリスト方式」への転換も視野に入れる。産業界側も日本化粧品工業会などが「Jビューティ民間コンソーシアム」を9月に準備委員会、12月に正式設立する予定。出典:日本ネット経済新聞(7.13・要無料登録)
これにより法改正を経ることなく、2027年度中に「保湿率〇%向上」といった科学的根拠に基づく数値データや、愛用者の体験談の掲載が可能となる見通し。— 日本ネット経済新聞
山口の視点クリームチームマーケティング代表
解禁は2027年度です。ただ、その日に書けるのは根拠を持っている会社だけなので、準備はいまから要ります。やることは2つ。主力商品について、OEM先や受託研究先がどんな測定データを持っていて、広告に二次利用してよいかを確認しておくこと。もう1つは体験談で、掲載許諾・使用期間・本人確認がひとまとまりで残っていないものは、解禁されても出せません。レビューフォームとアンケートに許諾条項を足すのは今週できます。なお解禁までは現行の56項目が生きているので、先取りして数値を書けば、いまの違反です。
ポイント:得をするのは、測定データと許諾つき体験談を先に貯めた会社。レビューフォームへの許諾条項追加は今週できる。前倒しの数値表現は現時点では違反。
化粧品
ポーラ化成、界面活性剤を使わないαゲルクリームを開発。従来品との比較を数値で出した
ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業が、肌の角層細胞間脂質に近い層状構造を持つ「αゲル製剤」を、界面活性剤を一切使わずに作ることに成功したと発表した。ヒアルロン酸を改良した水溶性保湿剤(加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル)の弱い親油性を処方で引き出し、基剤の組み合わせを最適化した。従来のαゲル製剤は乳化のために界面活性剤を必要とし、敏感肌の人には刺激感につながる可能性が課題だった。新製剤は水分蒸散を抑える働きが従来のαゲルクリームより優れ、閉塞性の高いオイルベースのクリームも上回ったとしている。ヒト肌での測定では、塗布によって肌の弾力が有意に高まることも確認した。出典:ポーラ化成工業 プレスリリース(PR TIMES・7.16・無料)
界面活性剤は敏感肌の方にとって刺激感につながる可能性があり、課題となっていました。そこでポーラ化成工業では、敏感肌の方にも配慮した高機能製剤を実現するため、界面活性剤を使わずにαゲル製剤を作り上げるという課題に挑戦しました。— ポーラ化成工業 プレスリリース
山口の視点クリームチームマーケティング代表
新しい成分を足したのではなく、これまで必要とされていた成分を外した技術です。そのうえで「従来のαゲルより上、オイルベースより上」と比較して測っています。1本目とつなげて読むと、数値が解禁される世界で効くのは単体の測定値ではなく比較値だと分かります。実務に落とすと1つです。次の新商品で、処方が固まる前に「訴求したい1点を、旧品または一般的な処方と比べて測る」ことをOEMへの発注に含める。作ってから訴求を考えると、比較対象がもう手元にありません。
ポイント:効くのは単体の測定値ではなく比較値。処方が固まる前に、比較測定をOEMへの発注要件に入れる。
化粧品
香水ブランドERAM、サブスクD2Cから完全撤退。1年3カ月のデータが出した結論
ポーラ・オルビスホールディングス発の社内ベンチャーとして立ち上がったフレグランスブランド「ERAM」が、サブスクリプション型D2Cから完全撤退し、リアル店舗への卸売りへ舵を切っていたことが分かった。同ブランドは自宅で複数の香りを試し、好みをフィードバックして香りの解像度を上げるサブスクサービスとして開始。10代から60代まで顧客を獲得し事業目標も達成していたが、1年3カ月運用した結果、年齢や性別といった属性で好みの傾向が出るという想定が外れた。2024年11月にプロダクトブランドへリブランディングし、百人一首から着想した情景と、見る人で解釈が変わるモノクロの版画を商品に添える形に再構築している。2025年には「ベストフレグランス大賞」で日本の香水ブランドとして初のゴールド賞を受賞した。出典:日本ネット経済新聞(7.17・要無料登録)
年齢や性別などの属性によって好みの傾向が出ると踏んでいたが、蓋を開けてみると、属性に関係なく皆が全くバラバラに直感で香りを選んでいた。— 日本ネット経済新聞(ERAM ブランドマネージャー 大島康平氏)
山口の視点クリームチームマーケティング代表
データより人の感性が勝った話、と読むと逆の行動をしてしまいます。ERAMは1年3カ月かけてデータを取り切り、「属性では説明できない」という結論をデータで出しました。持ち帰れるのは順番の話です。CRMを自動化する前に、自社商品は属性や行動でセグメントすると好みが説明できるのかを確かめる。説明できるならステップメールもレコメンドも効きます。説明できないなら、いくら投じても当たらないので、選ぶ瞬間の接点に回したほうがいい。今週できるのは、解約者と継続者に「なぜこれを選んだか」を一問だけ聞くことです。
ポイント:CRMを自動化する前に、好みが属性で説明できるかを確かめる。説明できないなら自動化より接点に投資する。
健康食品
オージオ、機能性表示食品をコーヒーで出した。1日ティースプーン1杯という設計
オージオが、医師の川本徹氏と共同開発した機能性表示食品「SURIMY COFFEE」を7月15日に発売した。届出番号K850。機能性関与成分はバナバ葉由来コロソリン酸0.9mgとエラグ酸3mgで、届出表示はエラグ酸が肥満気味の方(BMI25以上30未満)の体重・体脂肪・血中中性脂肪・内臓脂肪・ウエスト周囲径の減少をサポートし高めのBMI値の改善に役立つこと、コロソリン酸が健常な方の高めの空腹時血糖値を下げる機能が報告されていること。62g・31日分で税込4,320円、1日ティースプーン1杯(2g)をお湯や水、牛乳に溶かして飲む。ベトナム産とコロンビア産の豆をブレンドし、ホットでもアイスでも溶けるようにした。香料・着色料は不使用。出典:健康美容EXPOニュース(7.15・無料)
「健康のために我慢して飲む」のではなく、“おいしいから続けたくなる”機能性コーヒーを目指しました。— 健康美容EXPOニュース(オージオ発表)
山口の視点クリームチームマーケティング代表
成分より、形態を見てください。コーヒーで、1日ティースプーン1杯です。お客様に新しい習慣を作らせるのではなく、すでにある習慣に載せています。定期の解約理由を掘っていくと、「効果を感じない」の下に「飲むタイミングが決まらない」「置き場所が定まらない」が隠れていることが多い。生活から外れると、効果を判定する段階にすら行きません。今週できるのは、続いている顧客5人に、1日のどこで使っているかを聞くことです。全員バラバラなら生活動線に乗っていない状態で、直すのは成分ではなく形態か推奨タイミングです。なお届出表示の対象は限定されています。エラグ酸は肥満気味の方(BMI25以上30未満)、コロソリン酸は健常な方の高めの空腹時血糖値です。
ポイント:継続は「新しい習慣を作らせない」設計で決まる。続いている顧客に使用タイミングを聞き、バラバラなら形態か推奨タイミングを変える。届出表示の対象限定を広げて書かない。
健康食品
ビーレジェンドのRealStyle、ホエイ高騰への答えは値上げではなく別原料の新ライン
「ビーレジェンドプロテイン」などをECで展開するRealStyleが、脱脂粉乳を原料にしたプロテイン「NON FAT MILK PROTEIN」を8月20日に自社ECサイトで発売する。7月20日にドン・キホーテで先行発売した。背景にあるのは主力のホエイプロテインの原料高騰で、代替原料を探すなかで国内の酪農家が余剰脱脂粉乳の活用先を探していることが分かったという。原料は地方の酪農家と直接やり取りして仕入れ、食品廃棄物の削減と地域活性化につなげる考え。今後は地域の農産物と組み合わせた「ご当地プロテイン」も検討する。同社の売上は現在90%以上がホエイプロテインで、新商品で売上の20〜30%を狙うとしている。出典:日本ネット経済新聞(7.19・要無料登録)
商品開発の背景には、ホエイの高騰がある。当社の主力商品は、ホエイプロテイン。その原料が近年、大幅に値上がりしている。ホエイに代わる新たな原料を模索する中、国内の酪農家が、余剰となっている脱脂粉乳の活用方法を模索していると分かった。— 日本ネット経済新聞(RealStyle EC販売部マーケティング課課長 木下潤氏)
山口の視点クリームチームマーケティング代表
原料が上がったときの選択肢は、普通は値上げ、内容量を減らす、利益を削るの3つで、どれも既存客の満足を削る方向です。RealStyleは既存の主力を残したまま、別原料の新ラインを足しました。値上げは既存客との関係を一方的に変える行為でLTVを直接削りますが、並べて選ばせるなら客が自分で選んだことになるので、離脱が起きにくい。原価が上がってきたら、値上げ幅を計算する前に一度だけ「同じ悩みを別の原料で解けないか」を考えてみてください。なお余剰脱脂粉乳や地域という物語は強いですが、契約している生産者がいる、といった検証可能な事実の範囲で組むこと。盛った時点で優良誤認の話になります。
ポイント:原価上昇の答えは値上げだけではない。既存品を残して別原料を並べれば、客が選ぶ形になり離脱が減る。物語は検証可能な事実だけで組む。